持続可能な社会実現に向けて、国際化し、海外で生産された商品やサービスを消費している現代では地球温暖化を含む多くの問題をグローバルに多面的に考える必要があります。時任研究室では「貿易」、特に材料や部品などの「途中の工程」を世界に広げたグローバルサプライチェーンを分析し、商品を消費する国、環境負荷がかかる地域、それらをつないでいる貿易ネットワークの研究を行っています。例えば、電気自動車に乗ることが環境にいいことか考えてみましょう。車体の製造、走るための電力の生産、バッテリー交換と廃棄、これらに伴い発生する環境汚染まで考えて、ガソリン自動車やハイブリッド車と比べなければなりません。さらにグローバルに多面的に考えると、今の電源構成のまま電気自動車が増えると日本国内では二酸化炭素の排出量が減るけど、輸入部品や材料が増えることで減少分以上に海外での排出が増えてしまうという研究もあります。また、モーターやバッテリーに使われる希少金属の中には中国や一部の国でしか採掘できず、関係が悪化すれば輸入することができなくなってしまうリスクもはらんでいます。様々な物事を考慮して世界全体で「持続可能な開発」を進めていくための指針となるような研究を日々続けています。
准教授 時任翔平(国際経済学)
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