投球による肘内側の靱帯損傷と外側の骨軟骨損傷を野球肘と呼ぶ。当科では、野球肘の診断、評価における超音波検査の有用性に注目し、2001年より世界で初めて超音波を用いた野球肘検診を開始し、その病態解明、治療に取り組んできた。2021年「運動器の健康・日本賞」の受賞をはじめ、マスコミ報道でも長年の活動が大きく取り上げられている。検診は成長期スポーツ選手を対象に山形県各地区で毎年行い、野球肘を疑った場合は、二次検診を経て早期治療に結びつけている。保存治療に抵抗性で手術治療に至った例では、病変を病理組織学的に評価し、野球肘の詳細な病態解明にもつなげてきた。
同時に、野球肘はじめスポーツ障害の再生医療研究にも当科では積極的に取り組んでいる。家兎を用いた研究で、多血小板フィブリン(platelet-rich fibrin; PRF)を用いた骨軟骨欠損や腱損傷の修復に成功し、臨床応用に向けて研究を進めている。
准教授 佐竹 寛史(整形外科)
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