中世に大流行した連歌という文芸を研究しています。和歌は「五七五七七」、俳句は「五七五」をひとりで読みますが、連歌はグループで「五七五」と「七七」を交互に百句まで続けます。共同制作の詩というのは世界的にも珍しく、共同制作ならではの問題に焦点を当てて、連歌の表現やルールの変遷を考察してきました。ちなみに「花を持たせる」「挙句の果て」の語源は連歌だと言われています(名人や貴人が花の句を詠む慣習、百句まで詠み終えた達成感が元か)。
近年は特に、山形藩初代藩主・最上義光の連歌の調査を進めています。義光は文武両道の連歌好きで、京都で公家や武将たちと何度も連歌をしていました。連歌を詠むのは朝から晩まで一日がかり。連歌会はお互いの人となりを知る社交の場であり、家臣との絆を深めるのにも役立ちました。研究成果は公開講座等でも発表しています。義光が参加した連歌は山形市内の最上義光歴史館で実際に見ることができます。ぜひ足をお運び下さい。
准教授 生田 慶穂(人文社会科学部)
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